ときどきテレビに養豚場とか養鶏場、また牧場などが出てきますよね。
牧場の風景などは、すがすがしく健康的で大好きです。
それももっともでテレビで見ている限り、臭いも無いし埃もありませんから。
でも、生産の現場は壮烈なもので、初めての人なら臭いで卒倒しそうになるかもしれません。
また、ハエやほこりで、思わず顔をしかめて口をふさぐかもしれません。
子供は正直。すぐ反応しますよ。
その農場は、鳥インフルエンザやBSE、口蹄疫、またスクレーピーなどの感染が心配で、病原菌対策はきっちりとしなければなりません。
消毒はもちろん、外部からの野鳥類の侵入を防ぐ、また人の出入などを規制するなどでしょうか。
でも、このような大自然の中での人間の知恵など知れているでしょうから、衛生管理で戦っても勝てるかどうか。
この清潔感は、農場と食肉加工場とではずいぶん違います。
我社は、その農場と食肉加工場の二つの業態を抱えています。
整理すると、農場は家畜のために衛生管理をする。また、食肉加工場は人の口に入るための衛生管理をするとなるでしょうか。
写真は、弊社株式会社アイマトンの食肉加工場風景です。
私がここへ入るには、白衣を着て、使い捨ての帽子をかぶり、ローラーで埃を取り除き手を洗い、そして使い捨てのゴム手袋を着け、なおかつ風で埃を吹き飛ばしてやっと入室です。
作業もせず、ただ入るだけでもですよ。
これも当然で、人の口に入るものを生産しているのですから当たり前です。しかし、廻りを見渡すと納得できないこともあります。
それはエゾシカ肉の事に関して。
弊社ではエゾシカ肉も当然ながら、徹底した衛生管理の元で食肉としています。
しかし、世の中には駆除されたエゾシカを、山中で内臓を取り出し都合の良い部分だけを持ち帰り、近所に配ったりレストランへ販売している人もいるようです。
弊社は写真のような徹底した衛生管理ですが、まだ上を目指しています。なぜなら衛生管理に関しての心配はゼロにはならないからです。
でも市場ではそんなの関係ないとエゾシカ肉を販売する人がいるのも事実です。
なぜこんなことを言うか。
それは、エゾシカ肉は市場に出てからまだ新しい食材であり、衛生管理に失敗すると、すべてが吹き飛んでしまう状態で、いまだ不安定、定着まで相当の時間を要すると思われるからです。
エゾシカ肉の業界が、産業として定着するかどうかは、この衛生管理をどこまで高めるか、ここに掛かっているのではないでしょうか。
エゾシカは自然の中にいるから、シカたない、では済みません。[^^;;
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