『あまのじゃく』は誉め言葉(1)

『あまのじゃく』は、漢字で書くと天邪鬼。または天邪久となっています。

意味は、昔話に出てくる悪者のこと。人に逆らい、人の邪魔をする。また、わざと人の言に逆らい、片意地を通す者。

辞書ではこうなっています。

私は子供の頃、『あまのじゃく』とは誉め言葉だと思っていました。いつ頃からでしょうか、そこは思い出せませんが。

一生懸命考えても思い出せません。

人が右を向けと言えば、左を向きたくなる。やるなと言えば、やりたくなる。誉められれば、怒られようとする。数え上げたらきりがありません。

人に指図をされることは特に嫌なんです。

中学の卒業式を前に、職員室へ行きました。先生から一人ずつノートに言葉を書いていただきました。

その中に、「お前は、とんでもないあまのじゃくだった」。「へそ曲がりだった」。そのようなことが幾つも書かれてありました。

当時の私はその言葉を見て「あ~、俺はこんなに評価されていたんだ」と、嬉しくなったものです。

しかし、いま考えるとこれはまるで逆ですね。「お前はとんでもない人間なんだぞ」と、こういう意味でしょう。いまなら解るんですけどね~。

小学生、中学生のとき、なぜ辞書を見なかったのかと今になって思いますが。