真実はこのひとつ

 

全くこの通りだ。

 

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普通の歴史(追補) 侵略戦争とはなにか?(3) 憲法9条も軍部独走も関係なし

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日露戦争、日米戦争という明治維新からこれまでに日本が戦った主要な二つの戦争は、「平和憲法があるかどうか」とか「軍部が独裁だったかどうか」などまったく無関係のことだった。

日露戦争は白人の国、ロシアがわざわざモスコーからシベリアを渡って、旅順や朝鮮まで来るから起こった戦争で、日本が外国を侵略しようとして起こった戦争ではない。いわば、ドンドンと盗賊が扉を叩くので、妻子を守るために戦った戦争だった。(極めて明瞭)

日米戦争は白人の国、アメリカがわざわざワシントンから太平洋を渡って、グアム、フィリピン、そして中国まできたから起こった戦争で、日本が外国を侵略しようとして起こった戦争ではない。これも盗賊が東から来て、やむを得ず戦った戦争だった(きわめて明瞭)。

もし戦前に「平和憲法」があって日本に軍隊がいなくても、戦争は起こった。遥か彼方の国が攻めて来るのだから、そんな時に「私の国には平和憲法があります」などと寝言を言っても相手は「なんだ、それは?お前の国の中のことだろう。俺は関係ない」と言うだろう。憲法は国内法だから国際紛争にはなにも意味がない。

日露戦争の時にロシア皇帝ニコライ二世が言ったように「日本は戦争しない。ロシアの方が強いから」と言ってどんどん来たのと同じように、「日本に平和憲法があっても関係ない。俺たちは日本を取る」と言うだろうからである。

「日本人が平和憲法を定めたから、外国は攻めてこない」などという矛盾した論理では平和というむつかしいことを守ることはできない。戦後、70年、日本が戦争をしなかったのは、独立国なのに日本列島に世界最強のアメリカ軍が駐留し、近海に水爆ミサイルを積んだポラリス原潜が配備されているからだ。

平和憲法を持っているとか、平和憲法があったから平和が守れたというのはウソである。日本はアメリカ軍という自国の軍隊ではない、いわば世界一強い傭兵的な部隊を持ち、さらに核武装していた。

戦前、軍部が独走したから戦争が起こったというのも間違いだ。ロシアが旅順を軍港にし、佐世保と台湾まで進出すると言ったからロシアと戦争になったし、アメリカが太平洋を渡って日本まで来たから戦争になった。アメリカのルーズベルト大統領は「アジア人は召使に使っても良いが、日本の黄色い猿だけは殺せ」と言っていた。

だから、ロシアと戦争をしなければロシアの植民地になって日本の若者は両手首を切られたし、アメリカと戦争したから310万人の同胞を失っただけで済んだが、戦わなければ5000万人は殺されていただろう。その証拠が広島・長崎・東京大空襲という事実だ。

アメリカとの戦争の前、日本はアメリカを信用し、アメリカから石油や鉄鉱石などの原料を約7割ほど輸入していた。それをアメリカは中国へ進出しようとし、それに中国が内通したので、日本に対して石油とくず鉄の禁輸を行った。これは「宣戦布告」であるとされている。つまり、食料や石油のような「生活必需品」、「国を守るための最低限のもの」を禁輸することは国際的に許されていない。それをアメリカがやった。

ここでは、ロシアが悪い、アメリカが悪いと言いたいのではなく、そんなことを言っても意味がない。ここでは「事実をそのまま認めよう。そうしないとまた戦争になる」ということを示したいだけだ。平和憲法があろうとなかろうと、軍部が暴走しようとしまいと、外国が遠くからやって来たら戦争になる。

日本は自ら戦争を仕掛けたことはない。日本列島は実に住みやすく2000年も住んでいるので、日本人は海外に出たくない。外国語は不得意、安全指向でシャイな性格、日本の中で生活する「内弁慶」の国だった。それは今でもそうだ。

長い2000年の歴史で日本が外に出ようかなと思ったのは、豊臣秀吉の晩年ぐらいなもので、南に行けば豊かなフィリピンもインドネシアもあるのに、行かなかった。その点ではロシア人やアメリカ人のような白人(アーリア人種)とは全く違う考え方を持っている。

繰り返しになるが、日本が戦争をしたのは、平和憲法がなかったからでもなく、軍部が独走したからでもなく、単に「白人が遠くから「ドケドケ」と野蛮に侵入してきた」からにほかならない。だからこれからも平和を守るということは、平和憲法を守ることでも、軍隊を持たないことでも(現実はすでに持っている)、核兵器をもつかどうかも(現実はすでに持っている)でもなく、「外国が来なければ戦争にならない」ということだけである。

自虐趣味の人はいるけれど、それに引きずられて国民全部が錯覚してはいけない。

(平成26年8月24日)
(C)武田邦彦 (中部大学) 引用はご自由にどうぞ

 

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普通の歴史(追補) 侵略戦争とはなにか?(4) 白人と戦ったことがない国

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「日本が侵略戦争をしたのではないか」という日本人の錯覚は、日本人の中の反日日本人や朝日新聞、NHKなどにもよるが、アジアの国で白人と戦ったことがない国が隣国にあるという日本列島の特殊な位置づけにある。

インドとビルマ(ミャンマー)、マレーシアはイギリスと、ベトナム、ラオス、カンボジアはフランスと、インドネシアはオランダと、フィリピンはスペインと、ハワイや太平洋の島々はアメリカと戦った。アジアの全ての国が白人と戦い、植民地から独立している。日本は日露戦争に勝ったので、植民地にならなかったが、白人と戦った。

これに対して、中国、朝鮮、タイ(シャム)は白人と戦わなかった。それでもシャムは白人に屈したのではない。イギリスとフランスとの外交力で独立を保った。朝鮮はロシアが来たとき、たまたま国があってなかったような状態だったので、ロシアに抵抗せずに国の中をロシアの軍隊が通過するのを認めようとした。

ところが日露戦争で日本に併合されたので大日本帝国として日本と一緒に白人と戦う名誉を得ることになった。でも中国だけはアジアの中で白人とは戦わなかった。

中国はまずイギリスが来ると香港と揚子江沿岸を譲り、フランスが来ると南部を譲り、ドイツが来ると遼東半島を譲り、そしてロシアが来ると満州を譲った。中国はアジアの盟主と言われていたが、アジアの国を白人からの侵略に対して守ろうとしないばかりか、自分の国ですら守らなかった。1840年代に小さな戦争(アヘン戦争:イギリスと)をして1万人以下の犠牲を出して負けてから、白人に対する一切の抵抗の気迫を失った。

その後、満州ではロシアと内通、上海事変ではドイツ、チェコ、ロシアと内通、そして太平洋戦争ではアメリカと内通して日本と敵対し、戦後は、南はベトナム、タイにたびたび進出を繰り返し、チベット、新疆ウィグル、内モンゴル、満州を武力で併合し、台湾を自国の領土のように言ってきた。

中国がなぜ「アジアの盟主」の責任を果たさずに白人に内通を続けた理由はむつかしい。しかし、理由はともかく事実ははっきりしている。

1)ロシアが南下すると満州をロシアにわたし、日本がロシアと戦って旅順や満州鉄道など「中国(清)がロシアに割譲したところや施設」を戦った日本が支配すると、ロシアとは戦わずに満州を譲った中国が、日本となると攻撃してきた。これが後の満州事変へと発展するが、ロシアも日本も隣国だが、中国はアジア人と戦う。

2) 1930年代、上海には白人のイギリス、フランス、ロシア、アメリカとアジアの日本が「租界地」をおいていたが、中国はドイツ(軍事顧問)とチェコ(機関銃)、ロシア(戦闘機)の支援を受け、アメリカの支援の元に、突如として日本軍の駐屯部隊を攻撃し、全滅させようとした。これが、上海事変、南京事変となる。中国は白人はそのまま上海にいても良いが、日本はダメという戦略をとった。

3) インドシナ(ベトナム)がフランスに占領されている時にはフランスと戦わず、ベトナムが独立したら1979年にベトナムに80万人の陸軍で攻め入った。ベトナムの兵力の方が少なかったが、フランスやアメリカと戦ったベトナム軍の方がはるかに強く、中国陸軍は1ヶ月で膨大な損失を出して撤退した。

4)歴史的には中国(支那、China)ではない、チベット、新疆ウィグル、内モンゴル、満州に侵入して現在も支配している。

さまざまな「非常識」なことが起こり、それが日本人の錯覚(日本の知識人の錯覚)をもたらしているが、その一つに、満州は「清」の時代に、「支那が満州を占領した」のではなく、「満州が支那を占領した」のに、いつの間にか関係を逆転させ、支那が中心、満州は属国のようになっていた。そして、白人のロシアが来た時には戦わずして旅順まで割譲し、日本がロシアに勝つと中国は日本に敵対して小競り合いが起こった。

中国以外のアジアの国(朝鮮は日本だった)はすべて白人と戦ったので、日本と気持ちを同じくするところがあるが、中国と独立している状態の朝鮮だけは白人と戦ったことがないので、どうしても白人と戦う辛さを知らない。中国に「遠交近攻」という言葉があるが、平和を守るという点では、非常に悪い言葉で、こんなことを金科玉条にしていたら近隣といつも喧嘩することになる。それは現在の中国政策でも同じである。

ロシアが東に来て戦争になり、アメリカが西に来て戦争になった。次の戦争は中国が近隣を攻めることで起こる。その時に、日本人は、1)占領される、2)国土を守る、のどちらを取るだろうか。国土を守るなら、軍隊がいてもいなくても、平和憲法があってもなくても同じである。

(平成26年8月24日)

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