会社経営者、また会社は、企業を運営する中で、色々な団体に所属しています。
私の場合は、家畜の団体が多いですね。
羊の団体、エゾシカの団体、合鴨の団体など。
その一つに合鴨水稲会があります。
その会が発行する『水かき通信』に、当然のそして納得のコメントが載っていましたので、全文を掲載します。
====ここから『水かき通信』より転載
原子力発電に対する反対声明文
私たち全国合鴨水稲会は、原子力発電に対して明確な意思を持って反対します。
この度の東日本大震災における地震、津波で亡くなられた方や被災された方に対し、心より哀悼とお見舞いを申し上げます。同様に、福島原発事故の放射能汚染に曝されている方々とは、言いようもない怒りと不安を共有しながら一刻も早く収束することをともに祈念いたします。
私たちは、空気、水、太陽エネルギー、大地など自然からの恵みを受けながら、作物や家畜などの命を育み、それらの命を頂きながら生きてきました。合鴨農法は、農業の近代化が進められる中で、大きく歪んでいった自然と人間との関わりを根底から問い直す中で生み出されてきました。それは、近代農業では悪者扱いされる害虫や雑草を資源(合鴨のエサ)として捉えるという発想の転換の中から生まれた有機・無農薬の「百姓の技術」と言えます。
20 年以上におよぶ私たち合鴨農家の取組みは、環境と人々の暮らしを守る農法、新しい暮らし方のモデルとして広く認知され、水田の中を群れになって泳ぎ回る合鴨たちの姿は、多くの人々に合鴨農法への信頼と安心感を与えてきました。
こうした中で起きた福島での原発事故は、大量の放射性物質(ヨウ素 131,セシウム 137など)を大気中に撒き散らし、今なお広範囲で水や土壌を汚染し続けています。原発事故で被災したのは、人間だけではありません。稲や野菜、牛や鶏などの家畜も放射能を浴びました。合鴨も、ドジョウも、赤とんぼも、全ての生きとし生けるものが被曝しました。
この原発事故は、人間だけの欲望の肥大を、”成長”・”発展”という言葉にすり替えて、経済活動の優先と科学への過信に依って暴走した結果です。福島原発事故は、人間が近代社会と自然に対して起こした、取り返しのつかない人為的過失です。
私たち農民は、生き続けるために、自然の脅威の真っ只中で、努力し工夫し続けました。
そして、自然に対しては感謝と同時に畏怖しながらも深く洞察し、つつましい暮らし方をしてきました。しかし、本来、「生きる術」(手段)であったはずの科学技術や高度に分業化されたシステムは、いつの間にか豊かさや利便性の名の下に、私たちの欲望を煽り、自然の循環から切り離し、自らが「生命あるもの」であるという思考を停止させました。
私たち全国合鴨水稲会は、無農薬の安全な米を作ることを通して、自然の恵みと共に「生きること」・ 「 生き続けること」の意味を考え続けて行きます。経済的豊かさよりも、自然と寄り添い、安心と継続を優先させる強い意思を持って行動します。
この意思を持って、合鴨君とともに原子力発電に対し明確に反対します。
2012 年 2 月 11 日 第 22 回全国合鴨フォーラム東京大会
全国合鴨水稲会