お歳暮に対する考え方

そろそろお歳暮の12月も最終コーナー。

私は仕入業者様からのお歳暮受け取りを拒否していますが、社員にもお歳暮を戴くのは駄目と強く言い渡してあります。

以前仕入業者様に送付した文章には『社員へお歳暮など金品を渡した商社様には、お取引をお断りする場合があります』と書きました。

これは本気です。

旧聞ですが、防衛庁トップが出入の業者から車を買ってもらった話、最初は数千円と小額から始まったはずです。

次に、これくらいなら良いだろうと大きな金額を受け取る。

それがだんだんエスカレートし最後は数百万円を懐に入れた。それでも足りないと要求もする。で、最後は塀の中。

私は物欲が強いです。

一旦自分に科したこの約束を緩めると、その欲は際限なく広がることが用意に想像付きます。

また、その縛りを社員まで広げたのにも理由があります。

一番の理由は、特定の人だけが数千円の良い思いをする。社員の数千円は大きいですよね。

極端に言うと、たまたまその部署に。つまり仕入を担当したので、役得とも言えましょうか。

しかし、全社的に見ると、ほとんどの社員はその恩恵を受けませんので、社員間に不信感が芽生えます。

したがって、この役得をそのまま放置することはできないのです。

いとこが地元の大きなスーパーで、鮮魚部の責任者をしていました。

12月30日に、たまたまそのいとこの家に行った時、夜遅く鮮魚問屋の担当者がシャケ数匹を届けていました。

いとこは同然のように受け取っていましたね。

たぶん会社全体でこのようなことをしていたのでしょう。

それだけが原因とは言いませんが、そのスーパーは閉店してしまいました。

それからいとこはアルバイトで食いつなぎ、現在は無職です。

仕入業者から、最初は数千円のギフトを貰う。

最初は嬉しかったそのギフトも、時間が経つにつれて後ろめたさが。バランスをとるため仕入に対して甘くなる。

後ろめたさも年数を重ねると慣れて当たり前となりのです。その欲は次第にエスカレートし、途中から要求するようにもなる。

それを見たほかのスタッフも、同様仕入業者にたかる。

で、最後は倒産です。

こんな会社をどれほど見てきたことでしょう。

昔養鶏場を経営していたとき、生産したタマゴを納品したスーパーは、30社以上ありました。

納品先のお客様、よくみると仕入業者に金品を要求したスーパーから順番につぶれていきましたね。

中にはパートさんから金品を要求されたこともあります。で、そんなスーパーは1社も残っていません。

戴いたお歳暮に何の罪もありません。むしろ頂戴するこちらに非があるから、だからこのような問題を起こすのです。

むろん、このお歳暮のやり取りという感謝の気持ちまで否定するものでは有りません。

むしろ、応援したいくらいです。ですから我が社ではお歳暮の販売をしています。

しかし、私の欲の深さが社員に知れたときが怖いのです。それが会社全体の気のゆるみとなり、それでなくても遠心力の働く会社の空中分解が怖いのです。

『お歳暮のお断り』文章を出してしばらく経ちますから、そのせいか、最近社長個人宛のお歳暮が増えてきました。

今年は、戴いたお歳暮の、2倍をお返ししようと考えていますが、再度年明けにでも我が社の方針としてお示ししようと考えています。

もし本ブログをお読みの我社のお取引様がございましたら、私の考えをご理解いただき、どうかお歳暮等のお気遣いはご遠慮くださるよう、こころからお願い致します。

我社にとって一番のお歳暮は、販売しているギフトを購入していただくことです。

よろしくお願い致します。[^^]

では。

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