外食産業が酷い状態です。
ことわざに『吉凶はあざなえる縄の如し』 というのがあります。『禍福はあざなえる縄の如し』も同じかな。
意味としては、良いこと悪いことはより合わさった縄のように、交代で訪れる、こんなことでしょうか。
実は商いも同じ。
これを理屈では誰でも解っていますが、なかなか素直に受け入れられないのが人間。
というより、『私は』です。
こんな時私は、次に良いことがくる、だから今はチャンスなんだと考えるようにしています。
そこで、これをチャンスとするよう、外食産業へ私なりの考えを書いてみたいと思います。
現在私は60歳。
この歳、つまり60歳になると、老齢者のことが少しは解ってくるようになりました。
大問題は、あまり沢山食べられないこと。というより健康を考えると食べちゃ駄目なんです。
歳をとると、本当は美味しいものを沢山食べたいのですが、悲しいかなお腹に入りません。
また、私は子供の頃『食べ物を残すのは駄目』としつけられて育ちました。
そんなことから、提供された料理は、無理をしてでも食べてしまいます。
そして、あとで調子が悪くなる私。[^^;;
当然ながら、日本はこれから年寄りの人口が増えていきます。
つまり、家電などの製造業でも、スーパーでも、外食店でも老齢者にきちんと配慮しないと、お客様から見向きもされなくなります。
そういうことで、私の提案はお年より向けのメニューの開発です。
年寄りだから脂っこいものは駄目とか、特別な料理を作れというのではありません。
それどころか、長生きの秘訣は、良質な蛋白が必要だと言われています。当然、脂質に関しても同じことが言えるでしょう。
それより何より、お年寄りの一番嫌うことは、『あなたはお年寄りです。ですからこんな料理はどうでしょう』と、特別な対応をされることです。
こんなことから『お年寄り向けの料理メニューの提案』だけを、考えては失敗するでしょうね。
そこで、私の提案ですが、『お年よりは沢山食べられない』というそこの部分だけに目を向けました。
つまり、少量。
これなら、通常のお客様も、少量しか食べられない人は多いはずで、喜ばれるでしょう。
また、少量を色々な種類楽しみたい人もいますよね。
ということで、私の提案は今のままのメニューで『シェアする』がキーワードです。
焼肉はもともとシェアされて食べられるような形態ですから、このままでなんの問題もありません。
外食店のご飯も、小・中・大とあり個人の希望が取り入れられますね。
ラーメンはどうでしょう。
私がどこのラーメン屋さんでいつも感じるのは、量の多さ。
だからと言って、半玉ラーメンや小ラーメンを作っていたら、作業性から考え、かなり高いラーメンになります。
量が多いというお客様、そしてコストを考えなければならない店舗側、この両方の要求を満たすメニューの提供方法が必ずあるはずです。
私が考えるに、やっぱりラーメンの一番の問題。それは量の多さ。
先に出た『シェアする』をラーメンに当てはめると、どうなるでしょう。
私は妻とラーメン屋さんへいく場合、一つを二人で分けたいと思うのですが、普通のラーメンならちょっと足りないですね。
そんなことで、いつも困ってしまいます。
それよりなにより、カウンターで一つのラーメンを二人で分け食べるのは勇気が必要です。
これを、たとえば少し大きいどんぶりで提供され、他に取り分けようの小どんぶりを出す。
また、メニューには『お二人でどうぞ』みたいな言葉を入れておくのです。
提供されたご夫婦は、盛られたどんぶりから好きな量だけ自分のどんぶりにラーメンを取り分けながら食べる。
これなら、小ラーメンを二つ作るよりコストはかかりません。というより、普通のラーメンを一つ作るのとほぼ同じですね。
メニュー名も、先に述べたとおり、お年寄りを連想させる文句は良くないでしょう。
『○○ラーメン・シェア』とか、『取り分けラーメン』とか、『□□ラーメン(お二人でどうぞ)』とか。
もっと良い名前を考た方がいいかな。
ちょっと長くなりましたが、私がメニューを考える基本としているのは次の三つです。
1.美味しいのは当たり前。
つまり、これは大きな特徴になりません。
2.お客様が困っていることを解決してあげる。
単身生活者などは、自分でご飯を作るのは面倒なものです。
3.世の中の動きを先行する
確実に日本社会は老齢化していきます。
この中で、今回は3を考えました。
ターゲットは私自身。
『価格が安い』より『注文し易い』又は『食べ易い』メニューの提供を求めました。
つまり、量より質(提供方法も含めて)ですね。
ところで、お金は質より量?。[^^;;