20年前にかなり大きな病気をしました。急性膵臓壊死。
ベットに縛り付けられて半年。最初のうちは食べるのは駄目。水さえも駄目。
そんな状態が続き、いい加減にしてくれとやけくそになったものですが、その時救われた言葉が『しょうがない』です。
自分で言ったんですがね。
24時間ベットに縛りつけられ、治療は医者、看護は看護婦(当時はそう呼ばれていた)、心配は家族、励ましは友人。
で、自分はというと何もしていません。耐えているだけ。
これじゃ、昨日まで元気だったんですから、あせっちゃいますよね。
でも、いくらあせろうとなるようにしかなりません。だって自分ではなんともしようがないのですから。
あたまが変になりそうなとき、この言葉『しょうがない』でした。
あるがままを受け入れようと『しょうがない、しょうがない』を繰り返したものです。
先の防衛相がこのことば『しょうがない』で辞任しました。
日本の防衛大臣が米国の原爆投下を『しょうがない』といっちゃおしまいですよね。
だって、防衛大臣と言えば、なんとかできる立場の人であり、なんとかしなければならない人なんだから。
で、私の場合を考えてみたんです。
自分で『しょうがない』と自分の立場を己に認めさせた言葉として使ったのです。
しかし、お医者さんが私に対して「『しょうがない』よね」と言ったとしたらどうなります。
たぶん死にたくなるんじゃないかな。