小学校4年の頃、シャープペンシルを皆が持ち始めました。
私も欲しくて、両親に無理だと解ってはいましたが頼んで見たのです。
思ったとおりの返事「駄目だ」のひと言。
ある日、いつもは素直に引き下がるのですが、そのときばかりはかなり食い下がりました。
父は「人と同じ物を欲しがるな」と。
何度もねだるとその声はだんだん大きくなり最後はゲンコツとなります。
その後何を話したか覚えていないませんが、この「人と同じ物を欲しがるな」という言葉はその表情とともに、いまでもはっきりと覚えています。
その時から、人と同じと言うことは、恥ずかしいと考えるようになったのです。
同じことをしちゃ駄目なんだと、そんな行動もとるようになりました。
シャプペンシルを欲しいと言う気持ちは、買えないという事実を隠すように、人と同じ物を欲しがらない行動となったのでしょう。
いま考えると、天邪鬼を誉め言葉と思うようになったのは、父に認めて欲しい、誉めて欲しいとの心の叫びだったのかもしれません。