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2008年10月 3日

●フェルトの帽子

福島県白河市研修フェルトの帽子.jpg

見た目でも、できのよくないこの帽子、31,700円です。

なぜなら、世界に一つしか無いから。


ではなくて、実はめん羊の研修でまだ福島県の白河市にいますが、昨日の研修のひとつがこれ。

なんとフェルトの帽子作り。

材料費は羊毛代350円。その他若干の道具と石鹸水が必要で、めん羊の毛の束から、フェルトのマイ帽子が出来上がるまで3時間。

と言うわけで原材料のほかに、給料を時給に直し工賃を加算して、また売るならと利益も加算するとこの価格になりました。

売れるわけ無いけれど、一応商人なもので。

最初は帽子など作りに福島県まで来たわけではないのに・・・・と、ちょっと不満でしが、しかし、やっているうちに面白くなり、はたまた出来上がった作品を見てプチ感動です。


めん羊を飼育する者として、その能力の高さは承知はしていますが、今回また新たな可能性を見出したのです。

というより、実は知らなかっただけなのですが。[^^;;


我社は肉屋、そんなことで肉としての利用が第一。

家畜たるめん羊、肉は勿論のこと、内臓類もきちんと人間の役に立ちます。

二つ目として、世界を見渡すと当然のことながら羊毛利用。

悲しいかな羊毛の利用は、セーターしか頭になかったので、それが今回のプチ感動に繋がったのです。

北海道サフォーク牧場はと言うと、羊の毛は売れないので堆肥にしていました。土壌改良剤ですね。

しかし、もったいないということで、来年から断熱材として自社の倉庫などに利用しようと考えています。

そんな中で、粗雑な作りの帽子かもしれませんが、羊毛の利用だけでもまだまだあると思わせる今回の研修だったのです。

三つ目は、今回も研修生の中から出ていた、遊休地の活用。

休耕田や山間地など、雑草の被い茂る所へ綿羊を放してやると、その植生から雑草類を片付けてくれます。

この能力は我社でも活用していますが、あとりんごなどの果樹園でも下草刈りに利用する方法があるようです。

四つ目は、毛皮の利用。

めん羊の毛皮をムートンといいますが、ムートンを敷物に利用すると、めん羊の毛の性質から冬は暖かく夏は涼しく過ごせるとのことで、実は、今年30枚ほど造ってみました。

まだ1枚も売れていませんが、これから年間150頭以上を肉にしますが、このめん羊の毛皮はなんとか全部とは言わなくてもきちんと利用したいものです。

しかし、ムートンは高いのでなかなか売れませんね。え~っと、そんなことでムートンをお買い上げの方は、弊社総務までよろしくお願い致します。

まだまだ有るなかでも、ちょっと興味を引いたのが血液の利用。医療関係では欠かせないもののようです。


さて、35000円のフェルトのマイ帽子。

腐っても鯛、痩せても豚、木から落ちても猿、私はこれでも社長。ちょっと工賃が高かったかもしれませんね。