強引なアメリカ合衆国の手法

米国の牛肉はBSE発生以来、輸入は止っています。

当初日本の輸入再開の主張はBSEの全頭検査でした。なぜなら国内ではBSEを全頭検査しているからです。当然の意見ですね。

しかし、米国は強引にBSE発生前の条件で輸入再開を迫ってきました。

こまった日本政府は譲歩しています。

まぁこの辺はニュースで出ていますので短めにこれで終了しますが、ここへ来て日本への経済制裁を主張する上院議員や下院議員の意見が大きくなり始めました。

これに関して一言。

肉屋の私は小なりとは言え商人です。

その商人が「この肉を買え、買わないと経済制裁だぞ」と、もし包丁で脅したら皆さんどうします。

これって商人とはいえませんよね。

今は少なくなりましたが、押し売りが自宅に来たことがあります。漬物屋でしたが。

この漬物屋は品質は別にして、売っている物がやたらと高いのです。で、怖いけど「必要ありません」と断りました。

今の米国はやり方としてこれより悪いですよ。

押し売りの漬物屋が、「俺の漬物を買え、さもないと殺すぞ」と。これと何処が違います?

もっと身近な例で言いますが、自宅の隣のスーパーの肉屋に「この肉を買え、買わないと経済制裁だ、もうあんたはうちのスーパーに出入り禁止だ」とか言われたら納得しますか。

商人は違います。いや商人ばかりではなく人間として間違っています。

商人はお客様の納得を得るために、お客様の話していることをよく聞いて理解し自分の中に取り入れていかなければ成り立ちません。

これは国家対国家の間でも同じではないでしょうか。

それより悲しいことがあります。それは日本の態度です。

スーパーとの間では買う人が主導権を握っていて、意思決定は買う人がします。それでスーパーも納得しますし、だからこそ買ってもらえるような努力もします。

どんな商売でも、仮に物が足りなくてもこの基本は生きています。いっとき売る側が強くても、強引な商法はいずれしっぺ返しを受けるのです。
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アレフにエールを送る

今日の日本経済新聞に、「びっくりドンキー」を経営するアレフの記事が出ていました。

アレフは米国からの食品輸入を全面的に停止するという。

理由は、BSEや遺伝子組み換え食品への対応が不十分とのこと。

庄司社長は「外食業に関わる企業として、消費者に安全なものを提供する姿勢を示したい」と言っています。

その意見に大賛成です。

いま日本は、米国の強引な圧力に屈する形で、牛肉の輸入が決まりそうです。

その政策には、消費者の食の安全に対しての配慮がひとつも感じられません。

大手の牛丼チェーンは、消費者の安全を無視する形で、牛肉の輸入を訴えていますが、それは、自社の利益だけを考えてのことでしょう。

今回のアレフの庄司社長の決断に大賛成です。食肉を扱うものとして、大いにエールを送ります。

消費者、一般の生活者が、安心で安全な食生活を送るお手伝いをするのが、私たち食品を扱う業者の使命です。
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